「社交ダンスに興味がある・・・」
「社交ダンス、自分にもやれるかな・・・?」
この記事はそんな社交ダンスに興味を持った方へ向けて書いています。
社交ダンスは野球やサッカーと比べてしまうとまだまだマイナーな部類のスポーツと言わざるを得ませんが、一度ハマってしまうとなぜかやめられないという高い中毒性を持つ刺激的なスポーツです。社交ダンスは控えめに言っても超楽しいスポーツであることは断言できるでしょう。
キンタロー。さんのテレビ特集などの様々な追い風をうけて今、社交ダンスはいま最高のブームを迎えています。
ここでは社交ダンスにまつわる以下のトピックについて、初心者向けに詳しく解説していきます。
社交ダンスは「誰でもできる」?
社交ダンスをみんなが「始めた時期」は?
社交ダンスに「大会」はあるの?
社交ダンスの「メリット・デメリット」は?
社交ダンスの「レッスン料金相場」は?
社交ダンスの「教室・スタジオ」の探し方は?
目次
社交ダンスは誰でもできる?!運動センスに依存しない特殊性
日本国内では「老後のスポーツ」としてのイメージがやや先行している社交ダンスですが、社交ダンスは定年後のシニアやお年寄りはもちろん、学生から社会人まで幅広い世代に親しまれているスポーツです。
なぜこのように幅広い世代に親しまれているかというと、社交ダンスにはある一つの特徴があるためです。
それは、社交ダンスは運動センスに依存しない特殊なスポーツであるということ。
「上手な人=運動神経がいい人」というスポーツ界における常識は、社交ダンス界においては必ずしも当てはまりません(もちろん、運動神経はあるに越したことはありません)。
強いて言うなら頭が柔らかい人(=頭の回転が早い人)のほうが上達しやすいという傾向はありますが、たとえ頭や体が固い方でも、踊った時間に比例して誰でも確実に上達が見込める特殊性は社交ダンスの最大の特徴でありメリットと言っても良いでしょう。社交ダンスは人を選ばず誰でもチャレンジできるスポーツなのです。
以下は社交ダンスのプロ講師(先生)の方からの引用です。
ぶっちゃけて言えば、
社交ダンスに運動神経は関係ありません。
(中略)
僕も正直、運動神経はそんなにある方じゃありません。
体育の成績は5段階中3だったし、普通です。
でもプロとして踊ってます。
野球やサッカー、テニスといった球技スポーツであればプロ選手の運動神経はかなり高い水準を要求されると思いますが、社交ダンスに関して言えばプロダンサーをもってしても「運動神経はあまり関係ない」と言わしめるのが面白いところです。
社交ダンスに向いている人
社交ダンスは先述の通り「人を選ばず誰でもできる」ことが最大の特徴のスポーツですが、特にどんな人が社交ダンスに向いているのでしょうかー
よく言われるのは、「音楽を”聴く”のが好きな人は、社交ダンスに向いている」ということです。
通勤・通学中に音楽プレーヤーで楽曲を聴いたり、好きなアーティストのCDをツタヤで借りたり、楽器を趣味で演奏したりといった経験がある人は、社交ダンスに面白いようにのめり込んでいきます。
これはなぜかというと、普段聴き馴染んだ自分の好きな曲でダンスが踊れることが想像以上に楽しく、嬉しく感じられるためです。
逆にいうと「音楽を聴くのが嫌い」という人はあまりいないと思いますので、この観点からも社交ダンスは多くの人に勧められるスポーツと言えます。
みんなが社交ダンスを始めた「時期」はいつ?
さて、社交ダンスを現在踊っている人はいつから社交ダンスを始めたのでしょうか?
人によって社交ダンスを始める「時期」や「きっかけ」はそれぞれ異なるとは思いますが、大きく以下の4つのパターンに分類するとができます。
- 幼少期から
- 大学生から
- 社会人から
- 老後(シニア)から
【パターン1】幼少期から
これは割合としては一番少ないパターンとなりますが、幼少期から習い事として社交ダンスを既に始めているという人がいます。
下のYoutube動画は、現役高校生の藤井蒼汰選手(当時17)・吉川あみ選手(当時17)のダンス動画です。
この「幼少期から」のパターンに該当する方は、本人の意思で社交ダンスを始めたというより両親が社交ダンスをやっていて子どもにも習わせようとした(2世)というケースが多く、少年野球やサッカーのように「親は未経験だけど子供にやらせている」というケースは比較的少ないのが特徴です。
【パターン2】大学生から
大学の部活動で社交ダンスを始めるパターンの人もいます。芸能人のキンタロー。さんも大学生から社交ダンスを始めたことで有名です。
学連(がくれん:全日本学生競技ダンス連盟)と呼ばれる団体に加盟する大学では、主に「舞踏研究部」や「競技ダンス部」という部名で社交ダンスの体育会(部活動)を有しています。
学連の加盟校では毎年4月、入学式を終えたばかりの新入生達を悪い先輩達(?)が手ぐすね引いてダンスの道に勧誘するのが春の風物詩となっています。
日本一の最高学府である東京大学にも舞踏研究部(競技ダンス部)は存在し、野球と同じように 六大学戦(東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学)も毎年開催されています。東大のキャンパスで社交ダンスに出会い、そのままプロ講師になる方もたくさんいます。
▼東京大学 社交ダンス部 2017年 新歓ムービー
▼「東大卒なのになんでダンスのプロなんかになっちゃったの?」
【パターン3】社会人から
後述のパターン4に次いで多いのが、社会人から社交ダンスを始めるパターンです。
- 映画「Shall We ダンス?」
- ウリナリ社交ダンス部
- 金スマ
- ヒルナンデス
などの様々な映像メディアをきっかけとして社交ダンス教室の門を叩く方が多いようです。
最近の傾向としては月刊少年マガジンで連載中の人気漫画作品「ボールルームへようこそ」に影響を受けて社交ダンスを始める方が急増しており、2017年のアニメ化も手伝って都内の社会人ダンスサークルや社交ダンス教室は多くの若い人で賑わっています。
【パターン4】老後(シニア)から
やはり一番多いのは、仕事の定年などをきっかけに老後の余暇(趣味)として社交ダンスを始める「老後(シニア)から」のパターンです。
社交ダンスは体力や運動センスに依存しないうえに、時間をかければ誰でも目に見えて上達する特殊なスポーツであるため、体力に自信はないものの時間には比較的余裕のあるシニア世代にとって社交ダンスは今も昔も大人気です。
社交ダンスにも「大会」がある!
アスリートの世界大会といえば何と言ってもやはりオリンピックですが、残念ながら2017年現在において社交ダンス(競技ダンス)はオリンピック種目には加えられていません。
しかしながら、実は社交ダンスにも既に世界大会が存在します。日本国内においても学生、アマチュア、プロのそれぞれの部門において全国大会が毎年開催されています。
ここでは各部門の主要な大会のYouTube動画をご紹介します。
【学生大会】夏全、冬全など
【国内大会】三笠宮杯、統一全日本など
【世界大会】ワールドチャンピオンシップ、ブラックプールダンスフェスティバルなど
社交ダンスのメリット
以下に社交ダンスのメリットをあげてみます。
【メリット1】基礎(ベーシック)がやさしく、ダンス初心者ほど恩恵が得られる!
社交ダンスの基礎的なステップのことを一般的に「ベーシック」と呼びます。
このベーシックステップの数は全部でも25〜30種類程度と数が少ない上、その中でもよく使われるようなステップはたったの10種類前後しかありません。
- 【全30種】ワルツのベーシックステップ一覧! – Dance La Vie
- 【全27種】タンゴのベーシックステップ一覧! – Dance La Vie
- 【全25種】スローフォックストロットのベーシックステップ一覧! – Dance La Vie
- 【全27種】クイックステップのベーシックステップ一覧! – Dance La Vie
社交ダンスのステップ関連の書籍は市場に多く流通していているうえに近年ではレッスン動画を収めたDVD付きの書籍が非常に充実しているため、ベーシックの習得は格段に容易となっています。
「ダンスなんてちっちゃい頃のお遊戯会以来やってない…」
といったダンス初心者の方ほど、社交ダンスのベーシックのやさしさのメリットを感じられるでしょう。
【メリット2】応用(バリエーション)に終わりがなく、「生涯スポーツ」として最適!
基礎(ベーシック)を卒業しレベルが初級、中級、上級とステップアップしていっても、全てのスポーツ技術がそうであるように社交ダンスにも「レベルの終わり」という概念がありません。
ベーシックステップをアレンジして難易度を格段に高めた応用ステップのことを社交ダンスではバリエーションと呼びます。バリエーションはプロ講師やトップ選手によって日々研究され、毎年進化をしています。
「誰でもできるベーシックでは物足りない」「バリーエーションをやってみたい」と感じるようになったら、初心者卒業の証です。バリエーションの始まりは終わりのない社交ダンスへの入り口です。
【メリット3】リードをする/リードを汲む(フォロー)が想像以上に楽しい!
社交ダンスは二人四脚で男女動きを合わせて踊る「ペアダンス」と呼ばれる種類のスポーツです。
ステップを頭の中で構成しつつ曲に合わせて踊りの進路を決定するのは男性の役割ですが、それを男性だけではなく女性側にも分かる形で伝えるアクションをしなければなりません。これをペアダンスの世界では、リードと呼びます。
男性のリードを汲み取り2人の踊りを1つに完成させるのは女性の役割ですが、これをペアダンスの世界では、フォローと呼びます。
例えば、
- 男性がリードをせず独りよがりなステップを踏んでしまう
- 女性がリードを受けずに勝手に動いてしまう
など、お互いがそれぞれの役割を放棄してしまうと2人の踊りはたちまた崩壊してしまいます。
こうしたリード&フォローの概念はペアダンスの醍醐味であり、2人の息がピッタリと噛み合ったときの高揚感は凄まじく、非常に刺激的な瞬間となります。
【メリット4】多国籍に通じるグローバルな共通言語が身につく!
日本国内ではピンと来ないかもしれませんが、欧米では社交ダンスは一般教養として学ばれているポピュラーな習い事です。
言語が通じない相手にも社交ダンスはコミュニケーションツールとして非常に有用で、国や言語が違ってもステップは全て万国共通です。
旅先での社交ダンスがきっかけとなり誕生したカップルや国際結婚にまで至ったカップルのケースもあり、国境を越えるボディラーゲージの素晴らしさを感じることができます。
【メリット5】身長が+1cm?!姿勢が矯正されケガや腰痛が激減する!
社交ダンスを始めると、間違いなく姿勢が良くなります。
この理由としては、ダンスパートナーに対して踊りやすい体の位置関係(ポジション)を前かがみになったり後ろにのけぞったりしていろいろ試行錯誤でバランスを探しているうちに、「背骨が直立し伸びている姿勢の方が踊りやすい」ということに体が無意識に気づき、姿勢を正すためです。
背筋がまっすぐに伸ばされると背骨周りの筋肉(インナーマッスル)が徐々に付きはじめ、ダンスを踊っていないときでも体が縦に引き起こされるようになってきます。この時、およそ1cmは身長が伸びます。
正しい姿勢が身につき体が縦に引き起こされることにより、腰痛は嘘のように軽減され、視野は高く・遠く・広くとなり、理にかなった歩行動作で怪我をしにくい体が完成していきます。
【メリット6】脳神経の”三感”を使用!頭の回転が超早くなる!
ペアダンスは脳神経を最も活性化する運動の1つです。
この理由は非常に簡単で、多くのスポーツは視覚に頼る割合が多い一方、ペアダンスは視覚だけではなく組んだ相手との圧力(触覚)やフロアの曲(聴覚)も意識の枠に入れておかなければならないためです。
社交ダンスがシニア層で特に流行っているのはこうした脳神経の”三感”を使ったスポーツが認知症予防に極めて効果的であることが脳医学や神経科学で既に実証されており、医師により推奨されていることも手伝っています。
若い人にとっては認知症予防というより、目に見えて「頭の回転が早くなる」というメリットが得られることになります。
【メリット7】道具が不要!シューズ一足ですぐに踊れる!
社交ダンスを始めるにあたって、新たな道具の購入は一切必要ありません。強いて言えば脱げにくい靴一足さえあれば身一つですぐに社交ダンスを始めることができます。
バットやボール、ラケット、ゴルフクラブなどスポーツ器具への初期投資をまったく必要としない種目は決して多くはありません。
社交ダンスのデメリット
以下に社交ダンスのメリットをあげてみます。
【デメリット1】「シューズだけ」なんて真っ赤な嘘?!ダンスにハマると出費の沼…。
上の「社交ダンスのメリット」でも書いた通り、社交ダンスは確かにシューズ一足さえあればすぐに始められます。これに嘘はありません。
社交ダンスを熱心に周りに勧める人ほどこの「シューズ一足だけ」 というキーワードをよく使いますが、実は社交ダンスにハマってしまうとシューズ一足だけでは出費は収まりません。よく似た現象は市民マラソンの世界でも確認されています。
動きやすく着心地の良いダンスウェア代、広いフロア(練習場)で練習するための貸しフロア入場料、より上達したいと思った時にはレッスン料など、お金をかけようと思えばかけられるところは山ほどあります…。
また社交ダンスの競技会や教室のデモンストレーションに挑戦し始めると、その出場費や衣装代などもさらにかかってきます。
始めるのはタダ同然、されど続けるうちに自然とお金がかるのがあまり語られないデメリットです。
【デメリット2】1人では踊れない(楽しくない)…。
パートナー不在で踊ることを社交ダンスではよく「シャドー」と呼びますが、社交ダンスは男性と女性の二人四脚で踊るスポーツですのでシャドー(1人)で踊っていてもはっきり言ってあまり楽しくはありません。
教室の外で先生以外と練習で踊ろうとするとき、練習相手となるパートナーの方の体調不良や急用などで突然休まれてしまうと、その日1日の予定が大幅に狂ってしまうのはよくあることです。
相手あってのペアダンスだけに自分のペースだけでは練習を進められないのが社交ダンスの最大の難しさです。
社交ダンス教室のレッスン料金相場
グループレッスンの料金相場|1,000円~2,000円/60分
複数の生徒さんを集めて一人の先生に指導を受ける「グループレッスン」の料金相場は、概ね60分あたり1,000円~2,000円程度です。グループレッスンでは固定のパートナーではなく相手を順番に変えながら踊っていくことになります。
教室によってはグループレッスンを行っていないところもありますので、教室に問い合わせて確認してみるといいでしょう。
多くの社交ダンスサークルでは外部講師として社交ダンス教室から先生を招き、このグループレッスンの形態をとっています。
個人レッスンの料金相場|3,000円~5,000円/30分
生徒さんと先生とのマンツーマンレッスンである個人レッスンの料金相場は、概ね30分あたり3,000円~5,000円程度です。
社交ダンスに競技性をもたせ優劣を競う「競技ダンス」の世界において過去にタイトル(賞状)を取っている先生や、秀でた成績を残している先生、また現役のトップアスリートの先生はレッスン料金が高くなる傾向があります。
ただし「勉強ができる人」と「勉強を教えるのがうまい人」が別次元であるように、「ダンスがうまい人(受賞歴)」と「ダンスを教えるのがうまい人(相性)」はまた異なるため、個人レッスンでは自分にあった先生や教室を見つけることが重要です。
社交ダンス教室の探し方!立地以外で気をつけるポイント!
せっかく始める気になった社交ダンスを継続をするためにも自宅から通いやすいエリアを中心に教室を探すのが望ましいですが、場所の観点だけで社交ダンス教室を探すのはあまりおすすめできません。
良い教室や良い先生と出会うためのコツや、おすすめできないダメな教室の見分け方の例を紹介します。
こんな教室は良い教室
入会不要の体験レッスン(体験カリキュラム)を用意している教室
せっかく社交ダンスに興味を持ったのなら、まずは社交ダンス教室で体験レッスンを受けてみるのがおすすめです。
この際、「入会金を払わないとレッスンを受けられない」または「ポイント(後述)を購入しないとレッスンを受けられない」ような教室は避け、入会不要の体験レッスンをちゃんと用意している教室を選ぶのがおすすめです。
特に入会金*1からして高い教室はその後も執拗な勧誘があったりして嫌な気持ちになる可能性が高いため、インターネットなどで事前に料金や評判を確認しておくといいでしょう。
レッスン代が現金で都度払いできる教室
多くの社交ダンス教室では、レッスンポイント購入による前払い制を採用しています。
レッスンのポイント制度でよく見かけられるのは、
- ポイントの購入は10ポイント単位(有効期限あり)
- レッスン料金は6ポイントから
という料金設定で、ほとんどの社交ダンス教室ではポイントに有効期限を設け、必ず端数が出るような料金設定となっています。
この料金設定は「ポイントを余らせたくない」という生徒の心理を利用したの教室側の囲い込みが目的となりますが、レッスン代を現金で都度払いできる教室は「ポイントに頼らずとも生徒に逃げられない自信がある=レッスン内容に自信がある」というところが多いのが特徴です。
こんな教室はダメな教室
先生がレッスンの時間を守らない(時間にルーズ)
レッスンの約束をしているにも関わらず、
- 休憩で外出中
- 他の先生・生徒さんとおしゃべり中
などの理由により、レッスンがなかなか始まらない、時間にルーズな先生が社交ダンス教室界には残念ながら存在します。
「時間を守る」ということは先生としてというより社会人として基本的なことですが、アスリートとして生き社会人(会社員)経験がない先生のなかには時間の大切さを知らない人もいます。
特に自分の競技に集中する現役の先生に多くみられる傾向ですが、教室を選ぶ際は先生の技術だけではなく生徒にきちんと向き合ってくれるかなど人柄まで見極めることが重要です。
先生が前回のレッスン内容を覚えていない、準備不足
レッスンを始める際、先生が前回のレッスンで
- なにを教えたのか忘れた
- ステップをどこまでつけたのか忘れた
- 時間切れとなったポイントを忘れた
など、生徒さんの過去のレッスン内容を覚えておらず、その場しのぎのレッスンが始まる先生もいます。
生徒さんと向き合う準備をしっかりとしてくれる先生は、やはりどこの教室でも大人気です。あまり先生が自分のレッスンに関心を持っていないと感じられるようであれば、別の教室を探してみてもいいかもしれません。
*1:相場は5000円~1万円程度、友人の紹介で無料や半額になることが多い